PARK – いきるとつくるのにわ
まいごごっこ|自分の活動場所を見つけるための日常の観察
「PARK-いきるとつくるのにわ」の[観察する(日常を観察し活かすリサーチプロジェクト)]では秋田に暮らす人々とクリエイター・専門家が集まり、街に広がる創造の芽をユニークな視点で観察するプロジェクトを行います。
「まいごごっこ|自分の活動場所を見つけるための日常の観察」では秋田公立美術大学景観デザイン専攻准教授の井上宗則 氏を発起人として、「まちの見方」と「まちの歩き方」の2つのプロジェクトを行います。
「まちの見方」
「まちの見方」は、様々なまちあるきの手法を用いて、まちの新しい見方を発見するプロジェクトです。プロジェクトチームを中心に、まちあるきやトークイベントを企画し、まちを観察する視点を深めていきます。
トークイベント&まちあるき「まいごごっこ01」
「まいごごっこ|自分の活動場所を見つけるための日常の観察」イベント第1弾は、『日常の絶景:知っている街の、知らない見方』の著者である八馬智 氏と、秋田市で日常的にまちあるきをしている街パシャ!KAZU 氏をゲストに迎えたトークイベント&まちあるきを開催します。
日時|2024年10月5日(土) [第1部:トークイベント]10:00~12:00 / [第2部:まちあるき]13:00~15:30
会場|秋田市文化創造館 2階スタジオA1
ゲスト|八馬智(千葉工業大学 創造工学部デザイン科学科 教授、都市鑑賞者)、街パシャ!KAZU(街の翻訳家)
「まちの歩き方」
「まちの歩き方」は、プロジェクトチームが考えた観察手法をもとに企画するまちあるきイベントです。予備知識を必要としない、様々な「まちの歩き方」を実験的に開催します。
「まちの歩き方」の例1
【スローウォーク】
篠原章太朗 氏が発案した、まちを超低速で歩く手法です。五感が研ぎ澄まされる感覚、街に溶け込む感覚を味わいながら、普段とは違う視点と速度でまちを歩きます。
「まちの歩き方」の例2
【ヴァーチャルフィールドワーク】
VR空間上にてフィールドワークを実践する手法です。バーチャルフィールドワークでは、あえて現場に身を置かないことによる気づきや発見があります。
井上宗則 氏からのコメント
近年、様々なまちの観察方法が提案され、盛り上がりを見せています。この端緒には赤瀬川原平らによる「路上観察学」があると思います。ただ、路上観察学では仮想敵を設定していましたが、最近は自身の純粋な興味に基づく観察を徹底して行うことに特徴があるようです。敵のいない平和な時代には、まちを観察する多種多様な切り口が用意されています。後は実践あるのみです。
– これまでの活動・リサーチ –
6/9 |第1回キックオフミーティング
“まいごごっこ”の第1回は、秋田市文化創造館を会場にキックオフミーティングを開催しました。
参加メンバーの興味関心や街でやってみたいことに触れながら、今後のまちあるきイベントに向けて、「まちの見方」や「まちの歩き方」のアイデアを出し合いました。
後半には、VRフィールドワークのデモプレイや、文化創造館のまわりを散策しました。
7/15 |第2回まいごごっこミーティング
第2回は、メンバーが撮影した「まちの見方」写真の共有と、後半には「まちの歩き方」の実践を行いました。
写真の共有では「意識をせず、ぼーっと歩くことでお気に入りの場所が見つかる」ことの気付きや、他の人の目線で風景が切り取られることで、知っている場所でも違って見える面白さがありました。
「まちの歩き方」では、「ブラインドウォーク」と「スローウォーク」を実践。
見えないことで普段よりも音や風、地面を感じて歩く気持ちよさ、目的がないスピードで歩くことでまちに溶け込む感覚の不思議さなど、まちを手法を用いて歩く人と、その人たちを目撃する人の双方が楽しめる発見がありました。
8/17|第3回まいごごっこミーティング
前半は、10月に行うトーク・まち歩きイベントについての話し合いを行い、後半はイベントの下調べとして川反周辺をまち歩きしました。
イベントに向けて、「まいごごっこ」メンバーでチラシを制作することになりました。メインビジュアルやキャッチコピーもメンバーからの案を募ります。チラシは後日、市内を中心に配布予定となっていますのでぜひお楽しみに!
後半は、イベントの下調べとして実際に当日の経路を歩いてみることに。ただ歩くだけではなく、今回は「線」「色」「境界」「反復」など事前に設定したキーワードをもとにまちを切り取ってみます。
キーワードを設定することで、いつも何気なく通り過ぎている風景のディティールが際立ち不思議な写真が撮れました。この実践は、イベントでも行う予定ですので皆さんぜひ続報をお待ちください!
Profile
井上宗則(秋田公立美術大学 景観デザイン専攻 准教授)
1980年鹿児島県生まれ。九州芸術工科大学卒業。九州大学大学院博士前期課程修了。東北大学大学院博士後期課程修了。博士(工学)。東北大学助教、秋田公立美術大学助教を経て、2021年より准教授。専門は建築・歴史意匠。民間企業において携わった東日本大震災の復興計画等の実務経験を踏まえ、近年は国内外の集落デザインに関する研究を行っている。また、参加型のデザイン手法の在り方を模索しており、サイン、建築、公園、散策路等の様々な実践的な活動を行っている。(秋田公立美術大学)