秋田市文化創造館

レポート

Aokidプロジェクト「あときとた」
大発表会「うあー」開催レポート

開催期間|12月11日(月)〜25日(月)
本番日|12月23日(土)、24日(日)

Aokidプロジェクト「あときとた」は、これまでワークショップやショーケースなどを繰り返し、出会った方々と共に活動を続けてきました。そしてその集大成となる大発表会「うあー」を12月23日(土)、24日(日)を開催。12月11日(月)からは「つくりあつまり」として、制作の様子を公開しました。

つくりあつまり

12月11日(日)〜の「つくりあつまり」では、会場にさまざまな人が訪れました。本プロジェクトでは、「本番」というハレの場だけでなく、練習をしたり、美術を作ったり、おしゃべりをしたりといった「ケ」の場も大切にして進行しました。

会場ではダンスの練習や舞台美術づくり、小さな発表会、お絵描き、などなど、まるで公園のように、さまざまな風景が展開されていきます。

わくわくする舞台美術、まるで展示会場のよう。日々更新されていきます。
壁一面に貼られた「き」色々な方が書いてくれました!
本番に出ない方でも参加OKな練習会。
みんなで大きな岩をつくりました。
「つくりつまり」の中で岩の制作も行いました。
ギターを手にするAokidさん、歌や踊り、身振り、さまざまな行為がパフォーマンスになります。

あつまること、Aokidさんがこのプロジェクトで最も大切にしていたことです。「本番」という最後のイベントのためだけではなく、人が集い、おしゃべりをすること、絵を描くこと、何かをつくること、ささやかな、でも大切なこと。目的はなくても、理由はなくても、ただここに集まれる場所があること。それは創造館の理念とも大きくつながることです。

お互いにダンスを見合います。
照明を使って遊んでみます。
みんなでへとへとになるまで踊りました。
いよいよ本番です!
岩も完成!
「つくりあつまり」で集まった人の記録。

本番

10月に開催した「10月のき」ではAokidさんによる振り付けという要素が強かったですが、今回は参加者それぞれが踊りを考えるシーンも多くありました。

各々が考えたソロダンスをつないでいきます。
たくさんの「き」を背景に。

文化創造館のさまざまな場所、内で外でダンスが繰り広げられます。お客さんがすぐ横にいる場所で、お客さんを巻き込みながら。舞台上にも色々な角度で椅子を配置して好きなところに座ってもらいました。

岩に触るダンス。屋外で岩に触れたことを思い出しながら。

暮らすように踊ること、踊るように暮らすこと。Aokidさんのふるまいを見ていて、そんな言葉が浮かびました。何かを表現することが特別なことではなくて、日常と地続きなこと。日々も表現の連続だということ、そんなことを学んだ気がします。

みんなで振り付けにあわせて踊るシーンも。
声を出して踊ります。
これまでの練習の総集編のようです。

最後はそれぞれのソロダンス。はじめは一人で踊ることを躊躇していた参加者も堂々ととても楽しそうに踊っていました。

スポットライトの中、それぞれの踊りを見つけていきます。
小さな男の子も参戦してくれました。この子は毎日のように会場に来てくれました。
側転!
みんなにスポットライトが当たります。

言葉に出すこと、Aokidさんがずっと大切にしていたことです。練習やワークショップの最初と最後には丁寧に対話の時間を設けました。最初に近況報告をして最後に感想を一人ずつ話していく。そんな小さな積み重ねもそれぞれの踊りや表現に繋がったのだと思います。

自由になること、Aokidさんの表現に触れて、私は、私たちはその一端のようなものに触れたような気がします。内で外で、ささやかな場所で、場所に関係なく自分の踊りを踊るAokidさん。出演者たちも一緒に踊りました。きっとみんなは何かその「よろこび」のようなものを知ってしまったのだと思います。ある出演者は人と関わることに自信が持てるようになったと話してくれました。それは誰かと何かを共にすること、つながること、そして自分をより知るよろこびなのかもしれません。そして、その踊りは、活動は、今もなお続いています。 Aokidさんがいなくなった今もなお、この秋田で「うあー」の魂はスピリットは受け継がれています。それは形を変えたとしても、人が変わったとしても、人が集う限り、いや一人でも終わることはないことでしょう。それはきっと、本番だけでなく日常を通じて、つくること、「創造する」ということに触れたからだと思います。この活動にぜひご注目いただきたいのと同時に、皆さんも一緒にやってみませんか??

「うあー」


「大発表会『うあー』」ダイジェスト映像 ぜひご覧ください。

大発表会『うあー』
日時|12月23日(土)17:00開演
   12月24日(日)15:00開演
会場|秋田市文化創造館スタジオA1
出演者|Aokid(ディレクション)、加賀谷 葵(アシスタントダンス)、にしかわ しょう子(インストーラー)、飯島 小雪、大村 香琳、かがまり、金澤 理理子、小林 令子、佐藤 みつ子、つばさ、銅ふたろ、長谷部 美枝子、早坂 葉

撮影・編集|大沢紀仁

Aokidプロジェクトについてはこちらから、
「うあー」から派生した「うあーの会」の情報は以下からご覧ください。
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Aokid

1988年東京生まれ。ブレイクダンスをルーツに持ち美術大学で映画を専攻。在学中より舞台芸術や美術作品の制作を開始。展示や上演だけでなく、街中や広々とした公園などでパフォーマンス、ゲリライベントを企画。さまざまな分野のアーティストや別分野の人を巻き込みながら、もう一度自分たちの場所として街にいられる方法などを模索する。主な活動にどうぶつえんシリーズ(2016〜)、ストリートビール(2019〜)など。https://ninjaaokid16.wixsite.com/aokid


どうぶつえんvol.15(2022年)
撮影:石原新一郎
HUMAN/human(2015年)
撮影:金子愛帆

撮影|伊藤靖史(Creative Peg Works)
テキスト|島崇

※JAPAN LIVE YELL project参画事業として、Aokidプロジェクトあときとたを実施しました。