秋田市文化創造館

連載

「かえるくんのどうする!?ラジオ」第1回 
-藤浩志×永田宏和- 【後半】

収録日:2021年3月22日(月)
主催:秋田市文化創造館

秋田市文化創造館館長 藤浩志が、動くサテライトスタジオをひいてキニナル人とトークを繰り広げるラジオ的プログラム。第1回目のゲストは、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)の副センター長(※2021年4月よりセンター長)の永田宏和さん。後半の模様です。

▶︎ -KIITOの永田さんとのお話- 【前半】はこちら

「ちびっこうべ」からつながる、KIITOのネットワーク

永田 2012年のKIITOのオープニングで「ちびっこうべ」をやれたことは大きかったと、今でも思います。改修工事のためになかなか館に入れず、仕込みに半年かかるようなイベントを3カ月で準備しました。

藤 ここは21日前しか入れなかった。まあいいや、それは置いといて。

永田 簡単に言うと、キッザニアみたいな子どものまちをゼロからみんなでつくる、究極のつくる系イベントです。建築家やシェフ、デザイナーがボランティアで子どもの活動をサポートし、50回、60回とワークショップを重ねていく。合同でやる日もあれば、個々に動く日もある。子どもたちが建築を考え、メニューを考え、ロゴマークを考え、まちをつくりました。

神戸の子どもたちとクリエイターがいっしょにつくる夢のまち「ちびっこうべ」

藤 何人の子どもたちですか。

永田 225人です。15チームに分けて、1チーム15人。5人の建築家チーム、5人のシェフチーム、5人のデザイナーチーム。

藤 なるほど。

永田 手づくりの2.5メートル四方の店が15軒立ち上がり、まちができましたが、大問題が発生しまして。失業者問題です。子どもの働く場所がない。それと働くとポイント「キート」という通貨をもらえますが、お金を使う場所がない。クレームの嵐で、まちとしては未成熟で、ずたずた、ぼろぼろの状態でした。

藤 政策が間違っていたんですね。

永田 オープニングに間に合わせることで精一杯だったので…。ただ、不幸中の幸いといいますか、その大失敗がすごく面白いことにつながっていきました。その後、このまちの課題をどう解決するかを話し合う「まちづくりゼミ」を開講しました。「ちびっこうべ」は2年に1回の開催です。開催しない翌年に、「昨年大失敗しました、まちを何とかしなきゃいけない、一緒に考えてくれる市民の方募集です」って弱音を吐いて、助けを求めたんです。大学生や社会人、主婦の方など5、60人が集まってくれた。ゼミをした結果、みんなすぐに気付きました、飲食店だけじゃ駄目でしょって。ラジオ局があったほうがいい、新聞社も、郵便局もいるだろう、といった感じで、3、40のアイデアが出て、出した人がやるというルールにしました。どんどん街を構成する施設が立ち上がっていき、ラジオ局ができたら、結果的に地元のラジオ局も手伝いに来てくれるようになりました。

藤 分かりますよ。

永田 藤さんがここで求めていることと一緒でしょうか。子どものまちをつくるという壮大な夢を掲げたことと、いかようにも成長できるという余地だらけだったことがよかった。その結果、年を、回数を重ねるごとに、まちのいろんなプレイヤーが、ボランティアでもいいからやるよ、って来てくれる。みんなでまちをつくり運営する仲間になり、次に何かやるときまた協力してくれるような関係性ができた。そういうKIITOのネットワークをつくれたのが、一番大きかったと思います。

藤 「かえっこバザール」も源流は同じですよ。「かえっこ商店街」と通貨の「カエルポイント」。どんどん広がっていきますよね。連鎖が始まる。

永田 そう。連鎖です。

藤 今僕は「プロジェクトの研究会」というのを創造館で始めました。現場、状況、経験、そこにいる人材で、とりあえずできることを構成する。そうすると、失敗もあって、問題が出てきて、さらにそこで必要なことをもう一回、構成し直す。そのときに自分たちだけでやろうとせずに呼びかけて、「まちづくりゼミ」みたいな形でやってみる。そうすると連鎖が始まって、次のプログラムが、ぴょーんと出る。

永田 もうだから…

藤 これが楽しいんですよね。

男性高齢者へのアプローチ「男・本気のパン教室」

永田 「ネイチャー・アート・キャンプ」もゼミでした。

藤 神戸市の「自然の家」が拠点でしたね。

永田 森の中でアーティストと一緒に子ども向けのワークショップをつくるプロジェクトを2001年から2006年までやって、2002年には藤さんに来ていただいた。

藤 大学生もいっぱい集まったね。

永田 今も、若い人をどうやって呼び込むかはやっていますし、もちろん意味があると思っていますが、限界かもしれないと思っています。若者は減っているので、もっと他に生かすべき人材が地域にあるんじゃないかと。それでKIITOで次にアプローチしたのが男性高齢者です。おばあちゃんは地域に根差している方が多く、案外パワフルに活動されている。今大問題なのは、おじいちゃんです。会社員だった人が退職して、まちに居場所がなくて、家でテレビばかり見て、おばあちゃんがノイローゼになってしまうみたいな社会問題に対して何かできないかなと。もう一方で、地域活動にエンジンがなくなってきているという問題。両方ウィンウィンにできないかと、相当議論し、リサーチしました。

調べた結果わかってきたのは、おじいちゃん向けの料理教室って今日の晩ご飯用なんですよね。手軽にできて栄養価が高く、バランスも取れている晩ご飯。思い返せば僕の父親も通っていました。でもそれだけでいいんだろうか?という違和感から、人に誇れる技を身に付けて、地域に貢献できたらいいね、と。そこで神戸がパンの街だというところに目をつけました。

藤 僕の母親は、小さい頃、神戸で育って、パンが好きでしたね。

永田 神戸のパン屋さんってパンの学校みたいになっていて、弟子入りして育っていく。となると、パンの製造技術を教えるのも、ずばぬけてうまいだろうと思いました。それで、ここからが大事なんですけど、「ちびっこうべ」をやっていなければ、このプロジェクトはうまくいかなかったと思うんです。

藤 信頼関係ができていないのと、そういうプログラムに参加する柔軟性を持ってなければ。

永田 忙しいよ、ごめんね、みたいな。

藤 本当は忙しいよね。朝すごく早いし。

永田 でも神戸のパン屋さんは、ちびっこうべに何人も参加してくださっているので、また何か面白いことを考えたなって、聞く耳を持ってくれるし、なんならちょっと付き合ってやろうかっていうノリがあるんです。それで立ち上がったのが、「男・本気のパン教室」。

藤 「男・本気のパン教室」。ネーミングとロゴが、プラスデザインですね。

永田 ひとつ重要なのは、パンは焼けるようになるんです、時間はあるので練習しますから。だからばんばん焼けるようになるんですけど、地域とのつながりがないと駄目なんですね。地縁がないおじいちゃんたちにどうやって地域で活躍していただくかとなると、地域の団体と組んだほうがいい。社長さんやまちづくり推進課や、町内会。そういう所とつなげられると、むしろ彼らは担い手を探しているので、どんどん出番をつくってくれます。やっているうちに、これもうパンだけじゃないよな、って、カレーじぃ、コーヒーじぃ、マドレーヌじぃまでメニューを広げました。

退職後に活動の場をなくした男性高齢者を対象とした社会課題のアプローチ。地縁がないおじいちゃんたちに地域で活動するためのきっかけづくりをおこなう。

藤 コーヒー、おいしいよね。

永田 この先には大工じぃやカメラマンじぃもいりますね。地域の記録写真や映像を見ていると、結構、厳しい、使えないものが多いです。地域活動をちゃんと残していくのは重要なので、そういう人も育ったらいい。実はこの後、ピザとバーベキューをやる予定ですが、それは、社協の方々に聞いたんです。バーベキューできる人がいたら、たくさん出番ありますよ、って。

藤 社協と言っても、ぴんとこない人が多いかもしれないね。

永田 社会福祉協議会です。

藤 社会福祉協議会はもう各地域に。

永田 全国にあります。

藤 意外と何やっているか分からないっていう感じの所も多いですね。

永田 今、地域の最前線で活動されているのは社協かなと思っています。

藤 そこにプログラムのアイデア、イメージを、リリースするというイメージですか。

永田 僕らにとっては、パートナーです。最初から組むこと、話すことが大事です。このおじいちゃんたちの活動は、介護予防にも効果があるんですよ。全国的に、秋田もそうだと思いますけど、今やられている介護予防のプログラムって、ほとんどは体操なんです。だから体は元気になるけど、心はあまり元気にならない。

藤 気持ちとか、精神とか。

永田 気持ちも元気になればいいなと思います。生きがい、やりがいを感じ、いろんな人と交流して。

藤 体力と脳と、全部使わなきゃいけませんね。それにここで注目すべきは、技術を核にしているということ。僕、システムをつくる上で、ツールが必要だという話をずっとしているじゃないですか。技術も、重要なツールになりえますね。

永田 そうです。

藤 パンづくりとかピザづくりとか、コーヒーとか、ある技術者になれる。あらためて技術を学び、そこから活動が、関係が広がっていく。技術を学ぶということが、実は自分自身をつくっていくことにもなる。ネーミングのロゴのデザイン性も大事ですね。

永田 このロゴは、寄藤さんです。コピーはやはり岡本さん。

「職」のあとに、つながりをつくるのは「食」でした。

藤 うまいね。

永田 「スパイシーな男のカレー教室」とか、「違いが分かる男のコーヒードリップ教室」とか。テクニカルです、やはり。

藤 でも肩の力を抜いている感じです。

永田 はい。

これからKIITOはハブになる。
ー社会課題解決型の人材育成

藤 永田さんと、神戸の「しあわせの村」でワークショップをしたことがありましたね。あの頃から何となく思っていたのは、子どものための通貨を、僕ずっとやってきて、実社会を動かしている一つの日本経済はもちろんあるんだけども、こういう夢のような別の通貨を使って、新しいもう一つの経済、もう一つのレイヤーができるんじゃないかって。

永田 いや、思いますよ。

藤 そこで幸せを求める。経済的な利益じゃなく、関係性とか、そういうのを求めるもう一つの社会があってもいいのかなって。

永田 僕、パンじぃの先にあるのは、週1日のわがままなパン屋さんでもいいと思っています。体調が悪かったら、お休み。パンの種類が少ないとか、数も限定とか。彼らにとって、それが豊かだったらそれでいいんじゃないかと。

藤 実際の商店でもそういう所がだんだんできて、意外と信頼されていて、開いている時間だけを狙ってみんな行くみたいな所もありますからね。レイヤーがいくつかある、こども商店街みたいなのもあれば、普通の商店街もある。

永田 僕もこれからの話、ちょっとしていいですか。

藤 そうしましょうよ。

永田 神戸市のいろんな部局が困り事を持ってきて、市民が集まってゼミを立ち上げて、観光では「date.KOBE」というプロジェクトが生まれ、今も動いています。「美かえるカラフルプロジェクト」、これも続いていますけど、「チャイルド・ケモ・ハウス」を応援するチャリティーウォークとチャリティーマルシェというのが、根付いて、1700人くらいの方が参加しています。

藤 すごいですね。

永田 「ふれあい喫茶」というのもあります。おばあちゃんがおばあちゃんの世話をする、老老介護状態になってしまっているので、地域の子どもがカフェごっこしたらいいじゃないかって。

藤 混ぜてね。

永田 人っ子一人いない公園に、仮設のピザ窯を置いてみたら、地域の人たちが100人くらい集まったり。

藤 千秋公園にも、仮設のピザ釜を持ってくるのはいいね。

永田 ピザじぃたちは釜を持って軽トラで現れ、ぱっとピザ釜を組んで。

藤 店員さんが子どもだったりもする?

永田 はい。こういうのを僕らの中では「種」と呼んでいます。実は指定管理の新しい5年間は、大きくミッションも変わりました。今までは自主事業が中心でしたが、これからはKIITOにハブをつくり、大学生や社会人、シニアの方々の中から、まちのプレーヤーをもっと育てなさいと。高齢化、マンネリ化、全部が行くとこまで行っているので、地域活動の支援をしなさいと。子どもの創造教育を毎週土日に場を設けて行う、というお題もできました。こういった新たな取り組みを、ちゃんと市民に伝えたいという思いで、再度岡本さんに頼んで、話し合ってつくったコピーが「これまでもこれからも、クリエイティブがつくるのは元気だ」です。つまり、神戸の元気を創造しようと。今までは、いろんな人が集まって化学反応しながら、いろんなものをつくってきた。でも、これからはまちを元気にするために、つくってきた種を播きにいきますよ、と。

藤 KIITOの建物の中は変わりますか。

永田 図書館ができますよ。それと3階に社会貢献活動プラットフォームと、子どもの創造的学びのプラットフォームというのができます。900平米あるので、工房とか、キッチンもつくりました。ここでパンじぃ、いつでもできるようにしようと思って。もっと言うと、パンじぃが子どもに教えるようにしたいんです。僕らが子どもたちに教えるだけじゃなくて、アーティストが教えるだけじゃなくて、高齢者が子どもに教えるのをここでできるように。今、ちびっこうべのクリエイターたちにも創造教育のプログラムを考えてもらっています。シェフが教える日もあるけども、パンじぃが教える日もある。あとはセミナールームと、プロジェクトルーム。大学と交流、提携を考えています。特徴的なのは、秋田公立美術大学もそうだと思いますけど、関西の大学も、大学の中に、社会課題解決型人材を育てる組織をどんどんつくり始めているんです。

藤 社会解決型人材を育てる。

永田 社会課題解決型の人材育成に力を入れて、神戸大学に今年の春に立ち上がる予定の「V.School(バリュースクール)」、大阪大学は「SSI」という組織。関学は「ハンズオン・ラーニングセンター」。単位が取れる所も取れない所もありますが、学生にも人気なんです。学生たちのプロジェクトを10個支援しなさいというノルマがあって、大学のゼミを巻き込んで、先生も一緒に動いていただいたほうが、いいと思って。

あとは社協さんや市の職員の研修にも力を入れたい。フィロソフィーとか種のつくり方の話を導入してから、皆さんとワークショップをやると、参加者の方からとてもためになった、と気づきや学びが生まれてその後活動が生み出されていく。

子どものほうは、ここで種を、プログラム、カリキュラムをつくって、最終的には公教育である学校現場に展開していきたいと考えています。地域、家庭でできるような創造教育のプログラム開発を外部の組織と連携しながらやっていく。プラス・アーツも、月1回レギュラーでプログラムを展開していきたいと構想しています。

ハブができるぞ、というのが、KIITOのこれからです。神戸のまちを相手にしていく、というのが、より明確に打ち出された。

藤 アーツセンターあきたも、秋田公立美術大学の、社会地域課題解決とは言っていないけど、社会連携センターみたいな所をNPO法人化したんです。だから大学の延長でつくったというのもあって。

永田 まさにそうですよね。

これからの課題。問題提起ー

藤 最後、問題提起をしますね。子どもの教育、創造的学びのプラットフォームといったときに、僕は知財創造教育ということをかなり考えていて、それは知財に対しての価値をどういうふうにみんなが身に付けていくのかという。社会的にも企業にとっても非常に重要なことだと思います。ただ、それを身に付けるための子どもに対する教育プログラムにおいて、僕が今気にしてるのは、小学校、中学校、高校という枠組みでいいのか、小学校3年生までと、3、4年と、5、6年、中学生って全然違うから。10歳から15歳くらいまでの間で何に出会うかによって、その後の人生が変わると思っています。10歳までは、もっといろんな遊びの要素があってもよくて、そこに対して、社会的な課題を持ってくるのは、ちょっと違うなって思ってるんですよ。

永田 僕もそう思います。

藤 10歳から15歳の表現者になり得る大事な時期を過ごして、15歳からは表現者になり得る技術を持つ。早い子は15歳くらいから音楽もつくるし、小説も書くし、表現し始める。そこに何を持ってくるのかというと、今までの技術プラス、僕らがつくりたいのは、これからの技術なんですよね。新しい技術をつくっていけるような環境、15歳から25歳くらいまでの表現者がどんどんレベルを重ねていき、いろんな失敗もできるような環境をどうつくっていくのか。

永田 小学生の頃にやるべきことというのは想像力を膨らませたり…

藤 観察する力とか、いじる力とか。

永田 もっとベーシカルなものですよね。

藤 今、高校生が社会課題解決とか探究活動とかやっているけれど、今日の課題に対してやらせようとするのは問題であって、高校生が課題に本当にぶち当たるのは10年後、20年後です。10年後、20年後にぶち当たる課題に、どう向き合うかという力を身に付けなければいけないはずなのに。そこが僕は不満。

永田 よく分かります。創造館もKIITOもそれをやらなきゃいけない。

藤 ある古い知り合いのアーティストが先日秋田に来て、彼が言っていたのが、僕らは現場を持っていると。実は工房は、秋田の県内にもともとたくさんある。森林組合が持っているようなもの、漆や金鉱の技術もあった。そういう所を現場として、若い人たちは技術をもっと学ぶべきなんじゃないかという話をして。

だから、クリエイティブハブになるような所で、何か技術を身に付けたいという人たちが滞在できて、プログラムに参加しながら、現場で学んでいくネットワークをどうつくるかというのが、この文化創造館ができたときに僕が思うこと。

ここが一つの拠点であるとすれば、まち中に対してももちろんですが、身に付けたい技術を実践で学びたいという人たちに対して開かれた、もしくは受け入れられる場になりたいと思います。


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「かえるくんのどうする!?ラジオ」第1回 -KIITOの永田さんとのお話-

収録日2021年3月22日(月)
会場秋田市文化創造館 1F コミュニティスペース
登壇者ゲスト|永田 宏和(デザイン・クリエイティブセンター神戸 副センター長)
パーソナリティ|藤 浩志(秋田市文化創造館 館長)
Profile

永田 宏和 -Hirokazu Nagata-
デザイン・クリエイティブセンター神戸 副センター長(※2021年4月よりセンター長)

1968年兵庫県生まれ。企画・プロデューサー。1993年大阪大学大学院修了後、大手建設会社勤務を経て、2001年「iop都市文化創造研究所」を設立。2006年「NPO法人プラス・アーツ」設立。2012年8月よりデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)の副センター長、2021年4月よりセンター長を務める。主な企画・プロデュースの仕事に、「水都大阪2009・水辺の文化座」、「イザ!カエルキャラバン!」(2005~)、「地震EXPO」(2006)、「ちびっこうべ」(2012~)、「EARTH MANUAL PROJECT展」(2013~)などがある。
https://kiito.jp/

Profile

藤 浩志 -Hiroshi Fuji-
秋田市文化創造館 館長

1960年鹿児島生まれ。京都市立芸術大学在学中演劇に没頭した後、公共空間での表現を模索。同大学院修了後パプアニューギニア国立芸術学校に勤務し原初表現と人類学に出会う。バブル崩壊期の土地再開発業者・都市計画事務所勤務を経て土地と都市を学ぶ。「地域資源・適性技術・協力関係」を活用し地域社会に介入するプロジェクト型の美術表現を実践。取り壊される家の柱で作られた「101匹のヤセ犬」、給料一ヶ月分のお米から始まる「お米のカエル物語」、家庭廃材を蓄積する「Vinyl Plastics Connection」、不要のおもちゃを活用した「Kaekko」「イザ!カエルキャラバン!」「Jurassic Plastic」、架空のキーパーソンを作る「藤島八十郎」、部室を作る「部室ビルダー」等。十和田市現代美術館館長を経て秋田公立美術大学教授、NPO法人プラスアーツ副理事長、NPO法人アーツセンターあきた 理事長、秋田市文化創造館 館長 
 https://www.fujistudio.co