秋田市文化創造館

レポート

2026.03.12

秋田まちなか作戦室
『秋田駅前の使い方を考えるミーティングvol.2』

日時|2025年8月24日
会場|あきた まちのえき 夏(秋田駅ビル アルス地下1階)

秋田に暮らす人々と共に、駅前エリアで行われる催しや文化活動について、取材・発信・提案する「秋田まちなか作戦室」。8月24日(日)には秋田駅ビル アルス地下「あきた まちのえき 夏」を会場に、座談会「秋田駅前の使い方を想像するミーティングvol.2」を実施しました。

この夏、秋田駅前エリアにて企画・活動を行った企画者や運営者による事例紹介や、 来場者の方々から寄せられた「まちの活用アイデア」を手がかりに、今よりもっと楽しみな駅前の未来像を一緒に想像し、意見交換を行いました。

第一部|事例紹介

民具ラボ

日時|2025年8月4日(月)〜24日(日)
場所|秋田市文化創造館、明徳館ビル1階、あきたまちのえき 夏 会場内

登壇者コメント|
秋田市在住の蒐集家・油谷満夫さんが集めた民具を分類・整理・記録し、今後の活用方法を検証する取り組みとして開催しました。文化創造館、明徳館ビル、あきたまちのえき夏の3会場で展示や「油谷さんと話す会」を実施。民具に関心のない来場者との新たな出会いも生まれ、地域にある財産をどう活かしていくかを考える機会となりました。

NPO法人アーツセンターあきたスタッフ(「民具ラボ」主催)

言葉と体

日時|2025年8月9日(土)〜8月30日(土)
場所|秋田市 旭川沿い各所

登壇者コメント|
ギャラリー・ココラボラトリー20周年を記念したプロジェクトです。秋田市の旭川沿いの街を舞台に、複数のアーティストが公演、展示、活版印刷のワークショップ、流しのパフォーマンス、トークなど8つの企画を展開しました。旭川の流れに着想を得て、街に脈々と引き継がれている人や場所の営みを巡りながら楽しめる企画を目指しました。

加賀谷葵さん(「言葉と体」実行委員、ダンサー)

ミネバネ!現代アート タグチアートコレクション

日時|2025年7月19日(土)~9月7日(日)
場所|秋田市立千秋美術館、秋田県立美術館

登壇者コメント|
実業家・田口弘氏と娘の美和氏が収集した現代アートコレクションを、秋田市立千秋美術館と秋田県立美術館の2会場で展示しました。104点の作品紹介に加え、街中10箇所での野外展示やプロジェクションマッピング、作家によるワークショップも実施。街を巡りながらアートに触れられる企画となり、若い来場者も多く、市内の店舗や施設との連携にもつながりました。

菅沼 楓さん(「ミネバネ展」秋田市立千秋美術館 学芸員)

たまご遊園地夏祭り

日時|2025年8月16日(土)
場所|秋田市中通三丁目街区公園

登壇者コメント|
「たまご公園」と呼ばれる中通三丁目街区公園を会場にした夏祭りです。2013年に地域の同世代の経営者たちが「何かやりたい」と企画したことをきっかけに始まり、町内会の協力も得ながら続いてきました。出店は外部に頼らず自分たちで屋台や盆踊りを企画。子どもから大人まで気軽に参加できる地域のお祭りとして親しまれ、若い世代も運営に関わるようになっています。

佐々木泰作さん、中野敦史さん(「たまご遊園地夏祭り」実行委員)

あきた まちのえき 夏

日時|2025年7月19日(土)〜8月24日(日)
場所|秋田駅ビル アルス地下1階

登壇者コメント|
「つくる・みせる・あそぶ」をテーマに、秋田駅ビル アルス地下1階で開催しました。県内のアーティストや職人、料理人、学生、起業家など前後半あわせて27組が参加し、多様なブースが集まりました。出店者や美大生、企業、館内店舗との交流から新たなコラボも生まれ、「何かやりたい人が集まる場」「ゆとりをもって過ごせる場」としての可能性が見えてきました。

市民団体・trunk「あきた まちのえき 夏」運営

質疑応答

Q: たまご公園を使うときに、届け出や許可などは大変でしたか?

佐々木さん・中野さん:私たちのお祭りは利益目的ではないため、許可取りはそれほど難しくありません。開催を重ねる中で、必要な話し合いや届け出の流れを資料として整理し、内部で共有しています。担当の方々にも「またやるんですね」という雰囲気で受け止めてもらえています。

Q:美術館が街中に活動を広げていくことは難しいものなのでしょうか?

美術館には、作品展示のように作品保護の観点から制約が生じるものもあります。今回のワークショップや鑑賞ツアーのように、さまざまな方法で美術館の活動に触れてもらう機会をつくりながら、街の中にも活動を広げていければと感じました。

Q:来場者の鑑賞体験という視点から、複数の場所で企画を行うことについてどのように考えていますか?

「お茶をしていたら、たまたまパフォーマンスに出会った」という方から感想をいただく場面もありました。こうした偶然の出会いも大切にしながら、街のさまざまな場所で企画に触れられる機会をつくり、その体験の中でお客さんが自然と「旭川」の存在や歴史に思いを巡らせてくれたらと考えていました。

「まちのえき 夏」への感想

「まちのえき」は、消費を目的とするのではなく、無理をせずにふらっと立ち寄って過ごせる場所である点が魅力だと感じました。そうした空気感は、trunkの皆さんが日常的に関わりながら運営していることによって生まれているのではないかと思います。誰がその場所を担っているのかという点は、場の雰囲気や関係性をつくるうえで重要だと感じました。


第二部|座談会

企画者による事例紹介を踏まえ、企画者、参加者のそれぞれ異なる視点から秋田駅前の未来に関して意見を交わしました。

活動を通じてコミュニティが元気になっていくには、やっぱり楽しみながら続けることが大事だと感じました。そうすることで、年齢に関係なく、周りの人も自然と関われるようになると思います。

今日の皆さんのお話を通して、「無理しない」という点がとても大事だと感じました。ものごとを続けるかどうかはそれぞれですが、やるなら日々のしんどさは少ないほうがいい。楽しみながら続けるという姿勢が、皆さんに共通していたと思います。

普段は秋田市役所で中心市街地の活性化に関わっていますが、今日は一参加者として参加しました。地域を自分たちで良くしていこうという思いが伝わる一方で、行政の制度とのギャップをどう埋めるかが、今後の課題だと感じました。

立場の違いを超えて顔を合わせて話せる関係があること自体が、このエリアの強みだと思います。支え合いながら、無理のない形を楽しんで考えられる土壌が、すでにあると感じました。

「まちのえき 夏」での出店ブースでは、子どもたちに街の地図の上に建物を置いてもらう取り組みを行いました。花を置く子が多かったのが印象的でした。子どもたちは言葉にしづらくても、「こんな街がいい」というイメージをたくさん持っていると感じました。そうした思いをすくい上げる場が大切だと思います。

街づくりは、言葉をうまく使える人だけのものではないですよね。子どもを含め、さまざまな立場の人が関われるほうがいい。そうした声に気づくことが、大人にとっての発見や共感にもつながるのだと思います。

グラフィックレコーディング:篠原万里さん


登壇者と参加者がそれぞれの立場から率直な意見を交わし、秋田駅前エリアの可能性や課題について改めて考える時間となりました。こうした対話から生まれた気づきが、秋田駅前のこれからを考えるさまざまな取り組みへとつながっていくことを期待しています。

✴︎このレポートは、8月24日(金)に開催された 「秋田駅前の使い方を想像するミーティングvol.2」での参加者の意見や話し合いの内容をもとに作成しています。

撮影|伊藤靖史(Creative Peg Works)
グラフィックレコーディング|篠原万里(株式会社なんで・なんで)
編集|小野地瞳、藤本悠里子(秋田市文化創造館)


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