秋田市文化創造館

レポート

【12月上旬公開予定】
「未来の生活を考えるスクール」第13回開催レポート
アニマルズ、ヒューマンズ、アスレチック

日時:2023年8月19日(日)14:00〜17:00
ゲスト:山口未花子さん、山川冬樹さん、石倉敏明さん
主催:秋田市文化創造館

新しい知識・視点に出会い、今よりちょっと先の生活を考えるレクチャーシリーズ、「未来の生活を考えるスクール」。

第13回では、狩猟の研究を行う人類学者の山口未花子さん、美術家・ホーメイ歌手として活動する山川冬樹さん、文化人類学と芸術表現の可能性を研究する石倉敏明さんをゲストに迎え、トーク・ワークショップを行いました。

秋田市文化創造館にて新たに始まったプロジェクト『〜になるためのトライアル』の一例となるユニークな活動を行うゲストを招き、「人間以外の種と交わりながら生きる術」そして「身体を使って表現をする術」について考えます。人間のために整えられた社会の中で薄まってしまった人間の能力、あり得たかもしれない人間のかたちを見つめ、これからあなたに訪れる「~になる」を自由に発想してみましょう。

レポート全編は12月上旬に公開予定です。

Profile

山口 未花子(やまぐち みかこ)
京都生まれ。北海道大学文学研究院准教授。専門は人類学。2005年よりカナダ・ユーコン準州において先住民の古老から狩猟採集を学ぶほか、内陸トリンギットの動物描写、西表島のイノシシ猟などについても研究している。現在は北海道で自分でも狩猟を実践したり、獲れた動物の毛や皮を使った工芸品の製作なども手掛けている。
著書に『ヘラジカの贈り物』春風社、共著に『生きる智慧はフィールドで学んだ』ナカニシヤ出版、などがある。

Profile

山川 冬樹(やまかわ ふゆき)
美術家、ホーメイ歌手、秋田公立美術大学准教授
自らの声・身体を媒体に視覚、聴覚、皮膚感覚に訴えかける表現で、音楽/現代美術/舞台芸術の境界を超えて活動。己の身体をテクノロジーによって音や光に拡張するパフォーマンスや、南シベリアの伝統歌唱「ホーメイ」を得意とし、これまでに16カ国で公演を行う。現代美術の分野では、マスメディアと個人をめぐる記憶を扱ったインスタレーション『The Voice-over』(1997〜2008/東京都現代美術館蔵)、「パ」という音節の所有権を、一人のアートコレクターに100万円で販売することで成立するパフォーマンス『「パ」日誌メント』(2011~現在)などを発表。
ハンセン病療養所(瀬戸内国際芸術祭/大島青松園)や帰還困難区域(Don’t Follow The Wind展/グランギニョル未来のメンバーとして)での長期的な取り組みもある。

Profile

石倉敏明(いしくら としあき)
芸術人類学者、神話学者、秋田公立美術大学准教授
1974年東京生まれ。1997年より、 ダージリン、シッキム、カトマンドゥ、東北日本各地で聖者や女神信仰、「山の神」神話調査をおこなう。環太平洋圏の比較神話学に基づき、論考や書籍を発表する。近年は秋田を拠点に、北東北の文化的ルーツに根ざした芸術表現の可能性を研究する。著書に『Lexicon 現代人類学』(奥野克巳との共著・以文社)、『野生めぐり 列島神話の源流に触れる12の旅』(田附勝との共著・淡交社)、『人と動物の人類学』(共著・春風社)、『タイ・レイ・タイ・リオ紬記』(高木正勝CD附属神話集・エピファニーワークス)など。

撮影|伊藤靖史(Creative Peg Works)
構成|藤本悠里子(秋田市文化創造館)