秋田市文化創造館

レポート

ゴールデンウィークイベント
文化創造館を楽しむ日。
開催レポート

開催日時:2021年5月2日(日)〜5日(水)
主催:秋田市文化創造館

秋田市文化創造館の前身である「旧・秋田県立美術館」の開館日は5月5日。
54回目のお誕生日を、みんなでお祝いしたいね。
という、かえるくんのつぶやきを発端に、スタッフがアイデアを持ち寄り、
ゴールデンウィークイベント「文化創造館を楽しむ日。」を開催しました。
そのレポートをお届けいたします。

ソウゾウカンLab 旧県美お誕生日スペシャル

日時:5月2日(日)〜5日(水)10:00〜17:00
会場:2階スタジオA1

「ソウゾウカンLab」では、不要になったチラシや包装紙、卵パックやトレーなどを集めて分類した素材コーナーと工作スペースをオープン!日常の中で使い終わったと思われるものたちも、視点を変えれば素敵な素材になります。参加者それぞれの視点でどんな風に使えるか、ソウゾウリョクを働かせてやってみる・作ってみるプログラムを開催しました。

プロジェクト1:旧県美54歳のお誕生日を祝おう!

5月5日は秋田市文化創造館の前身である旧県立美術館の開館日。今年の3月に秋田市文化創造館として生まれ変わりオープンしてからも、かつての風景を思い出しながら館内を巡られる方が多くいらっしゃいます。
そんな旧県美の54回目の開館日をスタッフ・来館者みんなでお祝いしたい!という思いから、54歳の誕生日を祝う館内の飾りつけを参加者にもお手伝いいただきながら行いました。

プロジェクト2:天まで届けこいのぼりプロジェクト
「こどもの日」に向けて、みんなで巨大こいのぼりを作ろう!という企画。
最初は頭と骨だけだったこいのぼりに自由に肉付けしていきます。「この素材使えそう」「しっぽもいるよね」など言いながら、親子で夢中になって2、3時間作業に夢中になっている様子が見られました。おかげで5日には立派なこいのぼりの完成!

セレモニーの掲揚式では、こいのぼり作りに参加いただいた方々や館内スタッフも集まり、音と光の演出の中、スタジオA1の大空間にゆっくりとこいのぼりが揚がるセレモニーをみんなで見守ることができました。


また、オープニングプログラムの「カンパイ!オルケスタ」や4月に実施した「音の日」の参加者有志がセレモニー実施を聞きつけて、急遽掲揚式を盛り上げる音楽隊として参戦!
動画はコチラ→  https://www.youtube.com/watch?v=CJ2iFtX4jTk

プロジェクト3:たかーく、なが〜く、紙ひこうき飛ばそう!
スタジオA1の広くて高い天井の空間を活かして紙ひこうきを飛ばしてみたい!というスタッフの一声から、紙ひこうき作りが始まりました。紙ひこうきを飛ばしてみると、スィーっと大空間をゆっくりと風に乗って飛行する紙ひこうき。もっと長く飛ぶ折り方ないかな?とネットであれこれ探したり、参加者のお父さんに教えてもらったりしながら、不要になったチラシやポスターから様々な折り方の紙ひこうきが生まれました。

紙ひこうきを飛ばした子どもたちは、最初は投げる加減が分からず失敗する子も多かったのですが、次第に上手に飛ばせるように。「持って帰って折り方覚える!」と言って持ち帰ったり、夢中になって遊んでいる様子が伺えました。
今回ふらっと立ち寄ってご参加くださる方が多かったのですが、近所にある広場のように、“とりあえずお散歩がてら行ってみようかな”と思ってもらえるような場所に秋田市文化創造館がなれば良いなと思います。

現在も館内では、「秋田市文化創造館でやってみたいこと」を募集中です。
皆さんから集まった”やってみたいこと”を実際に実行したり、できる場づくりをしていきたいと思います。

(担当スタッフ:岩根裕子)

0円ショップ

日時:5月4日(火)11:00〜15:00 
会場:1階デッキ

だんだんと暖かくなってくる5月、建物にこもっているのがもったいなくなり、屋外で遊べることを考えて出てきた今回の企画。東京・国立市ほか全国でおこなわれている「0円ショップ」を参考に、文化創造館のデッキを使ってお試し開店しました。
屋外でやっているフリマやマルシェは開放的で楽しいし、モノを介すことによって、自分とは一見何の共通点もなさそうな人ともお喋りできるなど非常に平和な気持ちになれるのですが、おおかたの場合そこで「お金」を持っていないとやっていけない。金額の大小に関わらず自由に使えるお金を持つことは、そう簡単じゃないように思えます。

出店者募集に応募してくれた1組と文化創造館スタッフの持ち寄り品を見てみると、90年代の8センチCD各種、『NANA』既刊全巻セット、備前焼、ブルーナの絵本、バドワイザーのビールグラス、健康スリッパ、重箱、服、子ども用歯磨き粉、アイドル誌、マグカップ各種などなど。特に、『NANA』が売れた時には歓声がわき起こりその場の盛り上がりはクライマックス、現場に謎の一体感が生まれました。
「外から、何かやっているのが見えたから」と立ち寄ってくれた方も多く、また「次があれば家のものを持ってくるね」というお声がけもたくさんいただきました。
屋外で遊ぶという当初の目的からはズレましたが、今後も「タダで遊べる」ことを試していきたいと思っています。

(担当スタッフ:石山律)

音の日

日時:5月5日(水)10:00〜20:00
会場:2階スタジオA1、1階コミュニティスペース

4月から、毎週水曜日に試験的に開催してきた、音をつかった活動のための施設無料開放日「音の日」。
約1ヶ月の間、音楽に限らずさまざまなジャンルの方が参加されているだけでなく、空間を活かしたパフォーマンスの試行や、「音の日」をきっかけに出会った人たち同士でのセッションなどが行われてきました。

最終日のこの日は、5つの団体が参加。
演劇ユニット、楽器練習、自作の映像と音楽のパフォーマンス、ネットラジオの公開収録、バンドのプロモーションビデオの撮影と、さまざまな「音」が繰り広げられました。
この場を思い切り自由に楽しみ、新たな出会いまで生まれていることが、なによりもうれしいです!

「音の日」はいったん一区切りとなりますが、文化創造館の空間の可能性を広げるべく、今後もこうした場を設けていきたいと思います。

(担当スタッフ:前田優子)

記事

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