秋田市文化創造館

お知らせ

秋田市文化創造館 館長交代のお知らせ

秋田市文化創造館は、現館長の藤浩志が3月31日をもって退任し、4月1日付で新館長として西原珉が就任いたします。

藤浩志は、秋田市文化創造館開館からの3年余りにわたって館長を務め、秋田のまちなかに新たな活動を生み出す数々の取組みを牽引してきました。
新たに就任する西原珉は、2021年4月より秋田公立美術大学で教鞭をとる傍ら、国際美術展シリーズ「SPRING 2021」(2021年)、「SUMMER 2022」(2022年)や、展覧会「When we talk about us,」(2023年)、国際芸術祭「東京ビエンナーレ2023」(2023年)を手掛けるなど、秋田県内外を問わず、人々が多様な表現に触れる機会を創出しつづけています。また、それらの活動には、ソーシャルワーカーや心理療法士としての専門性に裏づけられた「ケア」の視点が織り込まれ、「すべての人にひらく」とする秋田市文化創造館の基本理念につながります。

西原を新館長に迎え、「すべての人にひらく」という基本理念を体現し、秋田市における文化創造の拠点としての活動を一層発展させていくことを目指します。今後とも、秋田市文化創造館へご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

現館長の藤浩志(右)と新館長に就任する西原珉(左)

■ 現館長メッセージ ■
未知の未来の活動につながる拠点として秋田市文化創造館という奇跡的な場所が開館し、その運営に関わらせていただいた幸運、本当にありがたいことです。
 
ここは充実した文化施設と緑に囲まれた環境にあり、藤田嗣治の作品から生まれた空間の魅力を持つところです。素敵な原っぱのような「まだ何者でもない可能性」を醸し、未経験の新しい活動に誠実に向き合う柔軟な態度と、更新し続ける運営を心がけてきました。おかげさまで多くの「つくろうとする人」と関わりを持つことができました。大変感謝しております。

今後の展開を考える上で、マネジメント人材の育成と、国内外の多種多様な方々との連携が求められています。人の気持ちを思い合うケアの感性が広がってゆく施設としステップアップするために、新たな専門性を持つ西原氏に館長職のバトンを渡し、ともに活動を模索して行こうと考えています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

アーツセンターあきた理事長 藤 浩志


藤 浩志 Hiroshi Fuji
美術家
鹿児島生まれ。京都市立芸術大学在学中演劇に没頭した後、公共空間での表現を模索。同大学院修了後パプアニューギニア国立芸術学校に勤務し原初表現と人類学とヤセ犬に出会う。東京の土地再開発業者・都市計画事務所勤務を経て土地と都市を学ぶ。全国各地で廃屋・廃材を活用したプロジェクト型の美術表現を実践。取り壊される家の柱で作られた「101匹のヤセ犬」、給料一ヶ月分のお米から始まる「お米のカエル物語」「2025カエルの池シンポジウム」家庭廃材を活用した「Vinyl Plastics Connection」「Kaekko」「Jurassic Plastic」新しい防災教育を広げる「イザ!カエルキャラバン!」架空のキーパーソン「藤島八十郎・藤森八十郎」、部室を作る「部室ビルダー」等。十和田市現代美術館館長を経て秋田公立美術大学教授、NPO法人プラスアーツ副理事長、NPO法人アーツセンターあきた理事長



■ 新館長メッセージ ■
空に向かって伸びる屋根と円い窓の秋田市文化創造館のなかに広がる伸び伸びした空間は、開館から3年でさまざまな人々を迎えてきました。その様子を近くで見てきた一人として、この度、藤浩志氏の後任として館長の大任を務めさせていただくことを大変な光栄に感じています。また、秋田市文化創造館がつくりあげてきた「つくろうとする人」とのつながりというバトンを受け取り、責任の重大さを噛みしめています。
 
人と出会い、話し、一緒に何かをする。つくることに触れ、行動を起こすことができる。全国を見渡してみても、秋田市文化創造館はそのような素晴らしい余白を持った希少な場の一つです。世界が膨大な情報で溢れ、悲痛なできごとが人々の心に暗い影を投げかけるとき、私たちの生きる力を支え、高めるために必要な活動として、創造することはますますその役割を大きくしています。文化創造館が、創造するための余白を守り、探求し、ここ秋田ですべての人が創造に関わることのできる施設であり続けるよう、できる限りの力を尽くしていく所存です。

秋田の透明な空の下で
西原珉


西原 珉 Min Nishihara
キュレーター、心理療法士
90年代の現代美術シーンで活動後、渡米。ロサンゼルスでソーシャルワーカー兼臨床心理療法士として働く。家族療法、芸術療法、認知行動療法を中心に多くのアプローチを実施。個人・グループに心理療法を行うほか、シニア施設、DVシェルターなどでコミュニティを基盤とするアートプロジェクトを行った。リトルトーキョーでは、コミュニティのための文化スペースのプログラムと運営に関わった。2018年からは日本を拠点にアーティストや作り手のための相談と心理カウンセリングのほか、アートプロジェクトを通じたコミュニティのケアに力を注いでいる。秋田公立美術大学教授。 アートセラピーを活用したワークショップ、ケアする人のためのケア「クッション」で活動している。


【本件に関するお問い合わせ】
秋田市文化創造館(指定管理者:NPO法人アーツセンターあきた)
〒010-0875 秋田県秋田市千秋明徳町3-16
電話|018-893-5656(9:00-21:00 /火曜日休館 ※休日の場合は翌日)
メール|news@akitacc.jp