秋田市文化創造館

イベント・プロジェクト


クロストーク
「秋田、能登、クンストハンドヴェルク(アートと工芸)」
伊藤俊治(美術史家)+赤木明登(輪島塗師)
進行:石倉敏明(芸術人類学者)

日時:2024年11月4日(月曜)14:00 – 16:00
会場:太平山三吉神社総本宮 秋田市広面字赤沼3-2 斎館2階
主催:辺境地点 共催:秋田市文化創造館
入場:料金=1000円(税込)※当日精算
定員:30名(要予約)
申込:秋田市文化創造館 下の予約フォームあるいは電話:018-893-6424

新刊『秋田 環日本海文明への扉』(石川直樹氏との共著)を執筆した土崎出身の美術史家である伊藤俊治氏と、輪島塗師の赤木明登氏の対話から、私たちの身近にひそむ精緻な文化ネットワークを浮き彫りにしていきます。
赤木氏の著書『工藝とは何か』(堀畑裕之氏との共著)の考え方の底流にあるカントは、手による日常の実践を「アート(クンスト)」と呼びました。それがどう「工藝(クンストハンドヴェルク)」と結びついているのか。秋田、能登の風土やものづくりの状況と照らし合わせながら、話し合います。

Profile

伊藤俊治(美術史家)

1953年秋田県生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業、同大学院人文科学研究科修士課程修了。東京藝術大学名誉教授。京都芸術大学大学院教授。専門の美術史・写真史の枠を越え、アートとサイエンス、テクノロジーが交差する視点から多角的な評論活動を行う。『ジオラマ論』でサントリー学芸賞を受賞。展覧会企画に「日本の知覚」(グラーツ)、「移動する聖地」(ICC)、「記憶/記録の漂流者たち」(東京都写真美術館)など。著書に『写真都市』、『トランス・シティファイル』、『生体廃虚論』、『電子美術論』、『バリ芸術をつくった男』、『増補 20世紀写真史』、『バウハウス百年百図譜』ほか多数。新刊『秋田 環日本海文明への扉』(写真:石川直樹)。

赤木明登(輪島塗師)

1962年岡山県生まれ。編集者を経て、1988年に輪島へ。輪島塗の下地職人・岡本進のもとで修業、1994年独立。以後、輪島でうつわを作り各地で個展を開く。「写し」の手法を用い、古作の器を咀嚼した上で造形と質感を追求して作る器は、洗練されていながら素朴な暖かみを持つ。著書などを通じ普段の暮らしに漆器を使うことを積極的に提案している。著書に『漆 漆師物語』『美しいもの』、『名前のない道』、『二十一世紀民藝』ほか多数。新刊『工藝とは何か』(堀畑裕之との共著)を自ら立ち上げた出版社「拙考」から刊行した。https://www.sekkousm.com/

石倉敏明(芸術人類学者)

1974年東京生まれ。シッキム、ダージリン、ネパール、東北日本等でのフィールド調査、環太平洋の比較神話学や複数種をめぐる芸術人類学の研究、アーティストとの協働制作や展覧会企画協力を行う。多摩美術大学芸術人類学研究所助手、明治大学野生の科学研究所研究員を経て現職。2019年、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際芸術祭日本館展示「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」に参加。著書に『Lexicon 現代人類学』(奥野克巳との共著・以文社)、『野生めぐり 列島神話の源流に触れる12の旅』(田附勝との共著・淡交社)、『人と動物の人類学』(共著・春風社)、『タイ・レイ・タイ・リオ紬記』(高木正勝CD附属神話集・エピファニーワークス)、『モア・ザン・ヒューマン マルチスピーシーズ人類学と環境人文学』(以文社)など。国際芸術祭「あいち2025」のキュレトリアルアドバイザー(現代美術)をつとめる。