演劇公演「soda city funk」
(200 年をたがやす:舞台分野)
2021.08.14 – 09.20
祭りと民俗芸能の空白期間が生んだ演劇作品
生活と表現が交わる広場としての展覧会「200 年をたがやす」の一環として、8 月14 日(土)より秋田の祭りや民俗芸能のリサーチをもとに創作した演劇作品「soda city funk」(作・演出:児玉絵梨奈)を、秋田市文化創造館で上演します。
2020 年7 月に東京から秋田に移住した児玉は、コロナ禍により普段のくらしが一変した秋田各地の取材を敢行。その土地に暮らす人々が営む祭りや民俗芸能をリサーチしながら、生活と信仰、祭りの関係性を明らかにし、その関係性を俳優という他者によって再現可能とする演劇作品を創作できないか。そんな仮説をもって、2021 年1 月から竿燈、秋田万歳、ナマハゲ、西馬音内盆踊り等、県内20 カ所を取材しました。
取材を通じて聞き取った祭りや民俗芸能に携わる者の日常。普段のくらしの中で繰り返される練習の密度と、その積み重ねによって得られる幸福感や神様が降りてくるという超日常的な感覚に圧倒された児玉。リアルな祭りや民俗芸能をリサーチしようとする児玉と、コロナ禍によって祭りや民俗芸能の練習や発表が制限された非日常に暮らす担い手たちの《歪み》ともいえる関係性の上に、本作「soda city funk」が立ち上がります。
作品に出演するのは、事前に関連イベントとして開催したワークショップ等に参加した秋田市内在住の高校生や大学生、会社員等の女性8 名、男性1 名。本格的な演劇作品への出演は、全員が未経験です。7 月から稽古を開始し、8 月からの本番に向けて準備を重ねています。
竿燈、秋田万歳、白岩ささら等。半年の間、名前を挙げたらきりがないほどの芸能やそこに携わる人たちに取材を行いました。民俗芸能はその名の通り、その土地土地に根付いた芸能です。その土地に根付き、その土地の文脈を生きる人々が演じ、鳴らし、その人たちをまたその土地の人が見る。この全てで民俗芸能なのだと思います。
取材をしていくなかで、芸能に携わる方々やそれを見てきた方々から時折出てきた、まるで芸能の神様が憑依したような、場所に宿る神聖さとしか言いようのない感覚。これらはどのようにして宿り、人はそれを体感するのか。そしてそれは私たちの外側に存在するのか、あるいは私たちの中に存在し得るものなのか。
秋田在住の方々を出演者に迎え、取材を改めて辿りながら、民俗芸能の構造に迫っていきたいと思います。
(児玉絵梨奈)
公演情報
「200 年をたがやす」舞台分野 演劇公演「soda city funk」
公演日|8 月14 日(土)、15日(日)、21 日(土)、28 日(土)、29 日(日) ※中止となりました
9 月12 日(日)、18 日(土)、19 日(日)、20 日(月・祝) ※中止となりました
※下線の日程は、アフタートークあり。
時間|開場14:45 開演15:00 終演16:00 予定(全日程)
会場|秋田市文化創造館 2階スタジオA1(秋田市千秋明徳町3-16)
作・演出|児玉絵梨奈
出演|青木理佳、秋山卓登、加賀屋茂美、梶夏季、椛澤詩乃、根田紗那、鈴木千晴、棚木陽菜
※ワークショップ等に参加した市民の皆さん
※出演者は一部変更となりました
入場無料・要事前申込(各回定員20 名)
※未就学児の入場はご遠慮ください。
アフタートークゲスト(予定)|8 月15 日(日)相馬千秋(アートプロデューサー/NPO 法人芸術公社代表理事) ※中止となりました8 月21 日(土)小熊隆博(合同会社みちひらき代表) 船橋陽馬(フォトグラファー) ※中止となりました9 月12 日(日)工藤尚悟(国際教養大学 国際教養学部グローバル・スタディズ課程 准教授) ※中止となりました
※上演日および8/13(リハーサル日)の14:35〜終演までの時間帯、スタジオAは公演をご覧になる方のみのご入場となりますのでご了承ください。
※新型コロナウイルス感染拡大の状況によって、上演方法やアフタートークの内容を変更する場合がございます。最新情報は200年をたがやすウェブサイト等でご確認ください。
【ご来場いただく際のご理解・ご協力のお願い】
・発熱、咳などの症状がある方はご来場をお控えください。
・ご来場の際はマスクの着用をお願いします。
・手指の消毒にご協力ください。
関連展示:「200年をたがやす」舞台分野 創作過程のアーカイブ
本公演の題材となった秋田の民俗芸能や昔話についてのリサーチ、ワークショップ、稽古の記録などを展示しています。
会場:秋田市文化創造館 2階 スタジオB
作・演出
児玉 絵梨奈 (Erina Kodama)
演出家。2010年よりシアター・カンパニー「マレビトの会」に役者として参加。主な参加作品に「HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会」(F/T10他、2010年)など。2013年より島崇ソロダンス公演「私の振り付け」などの演出を務める。近年の演出作品に「オルガンと朗読で聴く『幻想交響曲』」(ミューザ川崎シンフォニーホール、2021年)など。
スタッフ
照明:藤原康弘
音響:諸越俊玲
キュレーター・制作:島崇(NPO法人アーツセンターあきた)
取材コーディネイト:小熊隆博、船橋陽馬
取材協力
秋田市竿燈会、秋田万歳継承会、天野荘平、上米町一丁目竿燈会、駅東竿燈会、NPO法人 草木谷を守る会、NPO法人はちろうプロジェクト、工藤尚悟(国際教養大学 国際教養学部グローバル・スタディズ領域 准教授)、毛馬内盆踊保存会、佐藤公(鳥海山小滝舞楽保存会)、白岩若者会、東南北会 西馬音内盆踊り、納谷信広、根子番楽保存会、三浦武(秋田大学大学院 理工学研究科 准教授)、三浦幹夫(双六ナマハゲ保存会 会長)、わらび座 (五十音順・敬称略)
【お問い合わせ】
秋田市文化創造館
電話:018-893-5656 (9:00〜21:00/火曜休館)
メール:perform@200years-akita.jp