「たくさんの料理を作れるようになりたい」開催レポート
日時|2023.12.3/12.6/12.20/2024.1.10
秋田市文化創造館では「〜になる」をテーマに、さまざまなトライアルに取り組むプロジェクト「~になるためのトライアル」を開催。秋田に暮らす人々と共に、身の周りに溢れる変化を見つめ、新たな状態へ変わっていくことを楽しむためのさまざまな実験に取り組みます。
今回、「たくさんの料理を作れるようになりたい」という声から、なぜ作れるようになりたいのかを考える『献立会議』と、会議で決めた料理を作る『実践』を行いました。
献立会議開催
開催日|①12月3日(日)、②12月6日(水)
調理に取り組む前に「献立会議」を開催。
具体的なメニューを決める前に、「なぜ、作れるようになりたいのか」を個々で考え、料理をする目的を発表します。
「なぜ、作れるようになりたいのか」
[和泉さん]料理は試行錯誤の過程が楽しい。だから作ったことがないものを作って失敗したい。
[大森さん]健康診断で尿酸値が引っかかってしまったから、健康的な料理を作れるようになりたい。
[木内さん]友人とキッチンカーを出す計画があるので、販売するものを考えたい。
[武田さん]将来、酵素玄米を使ったカフェを開きたいので、そのメニューを考えたい。
[園部さん]特産品を使った料理を作り、もっと秋田を楽しみたいから。
[ひがしさん]料理に苦手意識があり、一度だけ成功体験を味わってみたい。
この会に参加した動機は十人十色。
目的を共有し、いよいよメニューを決めていきます。
「とんぶりってどこに売ってるんだろう。」
「山菜なら近くの市民市場にありますよ。とんぶりはどうだろう。」
「健康を考えるなら、米粉のパスタ麺の方が良いんじゃない?」
「あとはサバとかイワシとか、缶詰なら作りやすいと思います。」
自分一人で考えるのではなく、それぞれの知識やアイデアを出し合い決めていきます。
作るメニューは違えど、献立会議を通して不思議な連帯感が生まれていました。
決まったメニュー
[和泉さん]失敗するための「マカロン」
[大森さん]健康になるための「サバと米粉麺のパスタ」
[木内さん]キッチンカーで販売したい「カレーきりたんぽ」
[武田さん]酵素玄米に合う「厚揚げのチャンプル」
[園部さん]秋田を楽しむための「とんぶりパスタ」
[ひがしさん]成功体験を味わうための「焼豚」
実践編
開催日|①12月20日(水)、②1月10日(水)
決定したメニューを実際に作ってみます。
改めて目的やレシピをおさらいし、調理に取り掛かります。
武田さんは「厚揚げのチャンプル」以外にも、「きのこと白菜煮」や「切り干し大根」など合計5品を作り上げ、酵素玄米プレートを完成させました。
献立会議に参加したことで、皆さんからメニューのアイデアを貰えたそうです。
「初めてこんなに大きな塊肉を買いました。」とひがしさん。
調理中は焼豚の良い匂いにつられた方がやってきて、「何作ってるんですか?」と声をかけらる場面も。
今回のレシピでは、酒、みりん、醤油の比率を1:1:1に。武田さんとも相談し、なるべく簡単に作れるレシピに決めました。
普段はほとんど料理をしないという木内さん。
「カレーきりたんぽ」という、いきなりの創作料理だったので、皆さんに心配されながら調理に取り組みます。
玉ねぎの剥き方が分からず、大森さんに教えてもらっていました。
大森さんもサバパスタの調理に取り掛かります。
「この日のためにハンドミキサーを買いました!」と和泉さん。
マカロンは水分が多いクリームを使うと食感が損なわれるため、バタークリームを使うのが一般的だそう。しかし今回はあえてカスタードに挑戦。
「賞味期限は30秒です!」
園部さんが作るのは「山菜パスタ」、そして「せりとかにかま和え」
とんぶりは売ってなかったので、せりを使った料理を追加で作りました。
今回は、それぞれが初めて作る料理に挑戦しました。和やかな雰囲気ながらも、料理と向き合う姿勢は真剣そのものでした。
食事・振り返り
料理の感想、実践後の変化
[和泉さん]
初めてマカロンを作ったけど、思ったよりスムーズに出来ました。味も抜群に美味しかったです。
失敗するのが目的だったので、そういう意味では未達成かも(笑)
[大森さん]
思ったより簡単にできました!
でも味が濃すぎたので、今度は血圧が上がるかも…。健康は奥が深く、続けていくことが大切ですね。
[木内さん]
とても美味しかったです!調味料を間違えたり、試行錯誤はあったけれどもそれも楽しかったです。
大達成でした。自分にもカレーが作れるんだと自信になりました。
[武田さん]
時間内に5品作れて、実際にカフェで提供する練習ができました。
厚揚げのチャンプルは簡単で美味しくでき、きのこと白菜煮も好評でした。
これからは、下準備の仕方を工夫していきます。
[園部さん]
たくさんの量を作るのが初めてで、目分量だとうまくいかないこともありました。
この季節にとんぶりは売っていなかったです!でもせりのポテンシャルや山菜の食感など、新たな秋田の魅力を知れました!
[ひがしさん]
かたまり肉を調理する楽しさに気づき、その魅力に取り憑かれそうでした。武田さんのご飯が美味しく、泣きそうになりました。
今回のイベントでは、「会議」と「実践」の2回のセクションに分けて、料理に取り組みました。
料理を完成させた後、皆さんは「次はこうしたい」、「これからは一人でも作れるようになりたい」と今後のことを自然と話していました。
「たくさんの料理を作れるようになりたい」と一口に言っても、その動機は様々です。成功体験、健康、好奇心、目標…。
「なぜ作れるようになりたいのか」を考える皆さんは、将来の夢を考える小学生と似ていました。現在の自分を見つめ直し、理想の未来を想像し、挑戦してみる。料理というのは、自身の食事のためにすることがほとんどです。日常的に行うことだからこそ、改めて取り組むと、思いも寄らない自分を見つけることができるのではないでしょうか。
参加者|和泉駿佑、大森朔人、木内颯太、武田忍、園部美晴、ひがし
テキスト|白田佐輔
■「〜になるためのトライアル」について
2023年、秋田市文化創造館では「〜になる」をテーマに、さまざまなトライアルに取り組みました。本イベントは「〜になるためのトライアル」の一環として、秋田に暮らす人々と共に企画を考え、実践する試みです。
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